師走の寒さにも少し慣れてきた。すでに師走も後半戦に突入である。ほんと、師走は経つのが速い。
(購入後記)
11月25日刊行であるが、少し様子を見て購入した。イノベーションはすでに多くの本を読んできたので、イノベーションのどの分野を扱うのかをみてから購入すればよいと考えていた。何しろ「科学」と謳っているので、切り口が分からなかった。Xでのコメントが参考になった。イノベーションを起こす側のリスクについては、ジェフリー・ムーアの『キャズム』(1991年)やクレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』(1997年)などで扱われてきたが、破壊される側についてはあまり考えてこなかった。本書は社会政策の観点からイノベーションを扱うので創造と破壊の両面から議論している。
ご丁寧に「はじめに」にポイントを三つまとめてあるが、理解できるだろうか。
1 創造する人と破壊される人は、それぞれ特徴がある
2 創造の恩恵は浸透に長い時間がかかり、破壊のダメージは短期間に局所的に出る
3 リスク・シェアの仕組みをアップデートする
本書はイノベーションの科学を扱う一般書である。本書のスタンスが明らかになったので、自分の関心に引きつけてみると、イノベーションの破壊的側面のリスクを自己責任社会で解決するのは嫌だなと思う。イノベーションの破壊的側面を包摂的社会はどう扱ったよいか考えて読むことになる。
【経済】
清水洋『イノベーションの科学 創造する人・破壊される人』中公新書、2024年
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