柳良平氏のハーバード・ビジネス・レビュー論文を読みながらCFOの考え方が変化してきているのを感じています。
「CFOの責務は、株主価値を継続的に高め、株主に対する受託者責任をまっとうすることにある。」ということは変わっていないのでしょう
。
ESGの価値が株主価値に関係するとなると、M&Aや資金調達ばかりが強調されているCFOが、結果としての財務数値だけではなく、企業価値を生み出すプロセスによって評価されるようになることが考えられます。
CFOは株主価値の大部分を構成する非会計数値に対する関わり方を変える必要がいわれています。要は、数値管理が非財務数値におよび、経営全般に目配せすることになります。人的資本と呼ばれるものに注目があっまっている理由(わけ)です。
エーザイのCFOだった柳良平氏が特許切れの売上急減の局面を乗り切り、「崖下」からはいあがったこの記録の背後にある理論と実践を示してくれた論文は経営のよい教材といえます。
柳良平「ESGの「見えざる価値」を企業価値につなげる方法」ダイヤモンド社、2021年電子版
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