藤原行成、倉本一宏編『権記』角川ソフィア文庫、2021年
現代語訳、読み下し、原文、解説の順に配置しているので、頭に入りやすい。といっても、読み下しを見て、原文(返点付の漢文)を読めるかというと、古文の知識がないと読めない。注が無いので読みっぱなしになってしまうが、仕方がない。何故に読み始めたのだろうか、眠くなるのを待つために夜な夜な読んでいる。それにしても古文は総合力だと思う。敬語が分かってなければ送り仮名も正しく用いることができない。以前に『藤原行成「権記」全現代語訳』(講談社学術文庫、2011年)の全3巻を読んでいた時は、注の多さに圧倒されたけれども、このビギナーズクラスックはさっぱりしていて、現代語訳と解説だけ読めばよいというスタンスなのだろう。書き下しはまだしも、原文は難しいし、手書きの文字であったりしたら、ほぼ読めない。
こうやって、古文を読んでいると、この世界の知識が足りないことを痛感する。ラテン語も面白いが、帰っていく場所は明らかである。語学の独習法は解像度が上がってきたが、古文に関してはまだ漠然としているので、方法論の解像度を上げていきたい。
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