「舞の会―京阪の座敷舞―」
国立劇場小劇場で舞踊公演を観てきました。
演目
地唄 茶音頭(ちゃおんど)
吉村奈尾
地唄 邯鄲(かんたん)
井上安寿子
地唄 浪花十二月(なにわじゅうにつき)
山村友五郎
上方唄 霧の雨
楳茂都梅衣華
地唄 正月(まさづき)
山村光
地唄 珠取海女(たまとりあま)
井上八千代
吉村奈尾さんの応援は9月の先斗町歌舞練場以来です。今年は正月も応援しに来たので国立小劇場も二度目になります。
第二部のトップでなので、独特の緊張感がありました。遊女舞の茶音頭でしたが流石に硬く、扇子が震えてました。自分を見つめるような目付きの演技はしっとりとした舞なのでした。
井上安寿子さんの背景は紅殻と黒でまるで一力さんのようでした。軍配を持って遥か先を見やる前半と、扇子に持ち替えた素速いキレのある舞をする後半とメリハリがはっきりした構成でした。
浪花十二月は、唄と囃子で一年の行事を味わうだけでなく、仕草と舞でも一年が経っていきました。宗家の山村友五郎氏は大柄なので足踏みすれば凄いのにそれをしないところが面白い。
休憩20分で後半が始まりました。
前半と異なり左右の和蝋燭は前半の太い蝋燭に比べて小さくなり、座敷の感じに近くなります。楳茂都梅衣華の舞は白い屏風だけのシンプルな設えの中で静かに語りかけるような舞でした。
山村光さんの正月(まさづき)は戎さんの笹もって優雅な遊女舞でした。動きのない舞は観ている方も難しいのか、隣からイビキが聞こえてきました。
井上八千代さんは、今日一番の力強い踏み鳴らしでした。海人の怒りと哀しみを現しているのでしょうか。後見は安寿子さんで、籠と扇子を交換したのでした。
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