2022年06月書籍往来

書籍目録
6月水無月は森有正氏を読むためのリストを作っていたので、パラパラと本をめくっていた。しかし、梅雨明けがいきなりきたのは驚いた。

【思想】
森有正『生きることと考えること』講談社現代新書、1970年、1974年第9刷

森有正氏が伊藤勝彦氏の質問に答えて対談した記録を元に加筆削除したものである。
「今後はこういう形の対談を行うことはおそらくもうないであろう」(p.222)。
『現代のアレオパゴス』(日本基督教団出版局、1973年)ではその事情について加藤常昭氏の質問に答えていた。
森「いやだったんですよ。しかし、伊藤くんがひじょうに親切にしてくれていますしね。お断りしちゃ悪いと思いました。伊藤君だったからそうとうぼくがやかましいことを言っても、ちゃんとやってくれますから引き受けたのです。ぼくは書くほうは責任をもちますけれど、しゃべるほうはなかなか困難なのです」(pp.22-23)。
『現代のアレオパゴス』は鼎談だが、ICU教会のためにオルガンを買いたいこともあり引き受けたという。
森有正『いかに生きるか』講談社現代新書、1976年
4篇の講演をまとめたものである。晩年は説教や講演をよくしていた。それでも、はじめにの言葉に出逢えば聴く耳をたてるだろう。
「いかに生きるか、という問いを前にして、一定の答えがあるはずはない。それは我々一人一人自分で選びとり、あるいは築きあげるほかはない。ただ一回かぎりの人生で、常識などは、むろん問題にならない。問いも答えも自分でするほかはないのであるが、この問答に特殊なことは、問いが発せられる時、答えはすでに与えられている、ということである」(p.3)。

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