『超火山「槍・穂高」』(2003)で山行を回想する

断片記憶

原山智、山本明『超火山「槍・穂高」地質探偵ハラヤマ北アルプス誕生の謎を解く』山と渓谷社、2003年

本については既に書いたので、今回は、山行について書こうと思う。

ジオ・ジャパン2を見ていたら原山智氏が老骨に鞭打って滝谷を登って行くではないか。火成岩の魅力に取り憑かれたのだからしかたがないが、ハラヤマ氏だけに見ていてハラハラした。

私は宝石には興味があるが、山の石は持ってこれないし、火成岩はマグマが冷えてゆっくり固まった大理石なら美しいと思うが、大概は灰色の渋い色調なので写真に撮っても映えないから撮ることはなかった。山に行っていたといっても雪山好きなので、そもそも氷と雪の世界で岩などはビレー支点くらいにしか考えていなかった。

原山智(さとる)氏と山本明氏の地質探偵ぶりを読んで、西穂高から奥穂高に向かう逆層スラブ帯の記憶が少し蘇った。これは、山と渓谷のDVDで確認して見ることにして、独標までは花崗岩の崩壊した岩屑を踏んで行った記憶がある。丸山はすでにマサ化していた。

薬師岳の東面の中腹にある水平の縞模様の地層を「手取層」(てとりそう)といい、恐竜の化石が出る地層だという(P130)。薬師岳と笠ヶ岳は大陸のヘリに誕生した兄弟火山だというのを登山していた1994年頃までに読んでいたら、山の見方も少し変わっていただろうと思う。薬師岳はスゴ乗越から登ったので縞模様の地層は見ていない。笠ヶ岳は特徴的な形を覚えているくらいで、これも縞模様の地層に気がつかなかった。甲斐駒や燕岳などの花崗岩の白く輝く山は好きだが、崩壊の進んだ穂高は遠くから眺めるのは良いが、登るのは結構勇気がいる。ヘルメットの必要な山なのだ。

中房温泉の露天風呂(P149)に私も入ったことがある。「中房温泉の西側は燕岳、そして東側には有明山がそびえている。どちらも有明花崗岩(奥股白ー有明花崗岩)で造られた山だ。(省略)。有明花崗岩の生成は6000万年前という古さだから、とっくに熱を放出して冷えている。そんな岩体のなかから温泉が湧出するって、地質学の常識では考えられないよ」(P153)。

原山氏は火山はないが地表近くにマグマがあると考えている。

国土地図を見ると燕岳の北に高瀬ダムがある。高瀬ダム左奥のトンネルから歩き始め、高瀬川を南に遡ると湯俣温泉晴嵐荘があった。河原の荒れ具合にもよるが2時間以上かかった記憶がある。河原に湯が沸いていて入ってみたが冷たかったので、内湯に入り直した。こちら側は硫黄岳という火山があるせいで、湯俣川には墳湯丘がある。水俣川を遡るのが北鎌倉尾根へのルートだった。中房温泉はこの火山から燕岳を挟んで反対側にある。

コメント

タイトルとURLをコピーしました