『しるもの時代』(2020)

読書時間

木村衣有子『しるもの時代』木村半次郎商店、2020年

『のんべえ春秋』でお馴染みの木村衣有子氏の「家庭料理」を対象としたエッセイです。

著者の味噌汁は出汁を引く派です。ええ、水出汁一辺倒で幾分具沢山かも知れません。

「ここ数年汁物にまつわる本の存在感がかなり大きくなっている」(P24)といいます。

あの土井義晴の『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社、2016年)がきっかけのようです。

著者は土井義晴の味噌汁を「出汁を引かなくてよい、具沢山、おかずを兼ねるもの」と捉えています(P27)。

出汁派としては「なぜ最近になって"みそ汁に出汁は必要ない"という意見が出てきたのでしょう?」(P29)という疑問が出るのは当然のことです。

味噌汁の地域性から、出汁は案外狭い範囲だったことを知ります。関東では出汁を使わず具沢山で、関西は昆布が広がって出汁を使うようになったといいます。

この後、「家庭料理」「おふくろの味」への批判は小気味良いです。

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