二月如月。身体も辛い。梅花に酔いたが、百花園は緊急事態宣言のため閉まったままだ。
しかし、短い月なのに本に対する欲求は止めどなくなるばかりだ。読めもしない本を買ってどうしょうというのか。飾っておく本棚などないのに。
そういうわけで、不要不急の鎌倉歩きに出かけた話は既に書いた。五感で季節を味わうのはこの歳になるとしみじみよい。電車の中で養老孟司氏の本を読むのが目的でもあったし、例の「虫塚」も見てみたかった。養老孟司が歩いた鎌倉を私も歩いてみた。
(購入後記)
フランスの植民地の話はポストコロニアルを扱った本を読んだがそれっきりになっていた。人種差別の問題が現在の問題であり続けるのは何故なのかが問われる。
千田嘉博氏の本は『信長の城』(岩波新書、2013年)を読めば十分と思うが、気軽にテレビを見る感じの本なので気休めに購入してしまった。
野口実氏が『平家の群像』と二つ挙げていたうちの一つを手に入れてみた。『平家物語』の平家の人々はどれだけ史実なのだろうか。
養老孟司氏本が出ていたのに気が付かなかったのかというと、そうだと思う。養老孟司氏を思い出したのは去年の暮れのことだったから。
山本芳久氏のトマス・アクィナスは3冊目になった。哲学者と学生の対話形式の本になっている。本棚に挿しておく本だが、まだ読むきっかけを掴めていない。
西田幾多郎をどう読むかは難しい問いなので、どこから読むのか迷う。どう読んでもアポリアになる。
ユリイカの2020年12月号をkindle版で読むことにした。現物と違い片付ける必要がないのと、雑誌なので気楽に読めるのでkindle版を選択した。値段は同じだった。サンプルで読んだ馬部隆弘氏と小澤実氏の対談が面白かったので、続きが読みたくなった。図書館で読めればよいが、行っている時間がないだろう。
課題図書として斎藤慶典氏の本をAmazonで取り寄せた。27日のセミナーの前に目を通したいと思う。
子安宣邦先生が宇波彰氏の追悼をブログに載せたのを読んで、東大同期生の繋がりを知った。同じように市民講座で学問を進めていたという。今月の市民講座で本をお見せしたら、講座に何人か宇波彰氏の講座の関係者が来ているとおっしゃった。懇親会はなかったので詳しくは聞かなかった。
ウィリアム・アダムスはジェームス・クラベルの小説『Shōgun』で知ったが、小説なので歴史家の本を読んでみたくなった。フレデリック・クレインス氏はお話を聞いたことがあり、文書も読んだこともあったので、新書でまとまった話が読めるのは楽しみだ。
西田幾多郎を読む機会が増えたので、『西田幾多郎哲学論集Ⅲ』を買ってしまった。最後の完成論文「場所的論理と宗教的世界観」を読むためである。
ヒンドゥー教の前にインド哲学を読むべきか悩み出した。Amazonで買うしかないか。
WordPressの入門なるものを購入したが、志乃ぶで飲んでいるうちに気が変わり使わないで終わりそうだ。
小村雪岱の展覧会が二つの会場であったので梯子した。複製でよいので小村雪岱装幀の本が欲しくなる。物欲はそれほどないが、良いものを見るとリラックスできる。段ボール箱では味気ない。
(読書展望)
文字で書かれていればそれと気が付くが、聴いただけではキーワードが分からないことがあった。
私の中で欠けている現象学のテクニカルワードを知りたくなった。何か適当な入門書を探してみることにする。
【歴史】
千田嘉博『城郭考古学の冒険』幻冬舎新書、2021年
安田元久『平家の群像』塙書房、はなわ新書、1967年、2005年第7刷
フレデリック・クレインス『ウィリアム・アダムスーー家康に愛された男・三浦按針』ちくま新書、2021年
【思想】
小野正嗣『100分de名著 フランツ・ファノン 黒い皮膚・白い仮面』NHK出版、2021年
山本芳久『世界は善に満ちている トマス・アクィナス哲学講義』新潮選書、2021年
小林敏明編『近代日本思想選 西田幾多郎』ちくま学芸文庫、2020年
『ユリイカ2020年12月号 特集=偽書の世界――ディオニュシオス文書、ヴォイニッチ写本から神代文字、椿井文書まで』青土社、2020年、kindle版
斎藤慶典『「実在」の形而上学』岩波書店、2011年
宇波彰『ラカン的思考』作品社、2017年
上田閑照編『西田幾多郎哲学論集Ⅲ 自覚について他四篇』岩波文庫、1989年、2019年第10刷
赤松明彦『ヒンドゥー教10講』岩波新書、2021年
【知】
養老孟司『形を読む 生物の形態をめぐって』講談社学術文庫、2020年
【IT】
石川栄和他『いちばんやさしいWordPressの教本 第4版5.X対応』インプレス、2019年、2020年第5刷
【図録】
『小村雪岱スタイル 江戸の粋から東京モダンへ』浅野研究所、2021年
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