大坊勝次『大坊珈琲店』誠文堂新光社、2014年
『大坊珈琲店』(2014年)の封を切る。普及版であるが、今までとっておいた。Cafe Violonで愛蔵版を見たとき、欲しくなったが、もうなくて、普及版を手に入れた。そのCafe Violon が去年六波羅の店を閉めた。西木屋町に移転した方にはまだ尋ねていない。
本箱をふと見たら『大坊珈琲店』があった。大坊珈琲店は閉まってしまったけど、大坊勝次氏が残してくれた本はそのまま残っている。シュリンクラップされたままで封を切っていない。珈琲の話が読みたくなって封を切ってみた。
本は3つのパートからなっている。
大坊珈琲店のマニュアル
写真
寄稿(35人)
マニュアルらしくないのがよかった。
内装の設計、音楽、焙煎などの物語を読むと、大坊氏が何を大切にしていたのかが分かってくる。
長いーカウンターは木場に浮いていた松から造られた。生木だから松脂を拭き取るのが日課になった。
「ポール・デズモンドなどの落ち着いたジャスを音をしぼって流します」(P19)とあるのは、好きな「テイクファイブ」のことである。
「私の個人的な感覚なのでしょうが、クラッシックやロックは、音楽の世界に自分を移行させる感じを持っていました。ジャスは幾分こちらに引き寄せられるような、自分は動かずに自己でいられるような思いがありました」(P19)。
珈琲を飲む時間が自分自身に返って一休みできることを望んだのだった。
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