「川崎工場夜景屋形船クルーズ」なるものを元の同僚に勧められたので行ってみることにした。
工場の夜景は仕事先で見てきたが何か寂しい感じがしたものである。しかし、京浜工場などの夜景は日本独特の景色であってファンも多いらしい。照明に照らし出された工場や立ち昇る水蒸気、煙突の上に炎があがるフレアスタックなどにより幻想的な景色を水面から眺めるという江戸時代の船遊びを思わせる行楽であった。ナビゲーターが2時間解説してくれる。塩浜運河から広い京浜運河に出て横浜方面に向かい右手の田辺運河へ入る。戻って京浜運河を東京方面に進み、突き当たりの大師運河を往復し、京浜運河を塩浜運河まで戻る。木々の切れ目から東亜石油の工場が見えるところが最大の見所であった。屋形船の上のデッキは手摺に掴まったまま立っていなければならない。私は疎になった船室で椅子に腰掛け夜景を楽しんだのであった。すでに、造船所は無くなり、高炉も火を落としてから久しくなった。そんな感傷に浸る年頃である。

川崎天然ガス発電所
コメント