深沢七郎『言わなければよかったのに日記』中公文庫、1987年、2017年改版
カバーの著者紹介の写真と文章が変更されていた。少し写真が老けたか。口絵の写真の綴じかたが裏から表になった。
対談 武田百合子×深沢七郎「女と男のまな板ショー」が追加されていた。これは武田泰淳が日劇ミュージックホールが好きだったことや、「フランス座」の「額縁ショー」を見ていた話から、伊藤素子や榎本三恵子の評価の話になる。当時、世間を騒がせた女性の話である。この対談がなぜ追加されたのかは知る由もないが、「言わなければよかったのに日記」に出てくるのは、正宗白鳥、石坂洋次郎、武田泰淳、伊藤整、松村梢風、井伏鱒二、小倉俊、丸尾長顕であるから、対談時(1981年12月)で親しい関係であった武田泰淳の妻の武田百合子との対談を載せることはここでも「言わなければよかった対談」のようで面白い趣向だと思う。
カバーを見ると『書かなければよかったのに日記』とあり、なんか気になるのである。
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