第三十回稚魚の会・歌舞伎会合同公演を浅草公会堂で観る。国立劇場が建て直しで使えなくなったので浅草公会堂で初めて開催された。
2024年8月15日(木)〜18日(日)
国立劇場伝統芸能伝承者養成所の研修終了者による「稚魚の会」と一般の名題・名題下俳優を中心とした「歌舞伎会」の合同公演を観るのは初めてだったが、よく稽古されていて良かった。
傾城反魂香 一幕 土佐将監閑居の場
浮世又平(後に土佐又平光起)の中村吉兵衛(播磨屋)が難しい役所を演じていて良かった。この狂言は狩野元信、土佐将監光信や土佐光起とか史実上の絵師達の姿が描かれるが、元信の描いた虎が絵から抜け出したのを将監の門弟の修理之助がかき消してみたり、又平が手水鉢に描いた自画像が反対側に通り抜けたりと荒唐無稽で楽しい。
太刀盗人 長唄囃子連中
16名の長唄囃子連中の前に繰り広げられるこの狂言も鸚鵡返しの面白さを十分に見せてくれた。どんでん返しがなんとも清々しい。
乗合船恵方萬歳 常磐津連中
隅田川の竹屋の渡し(墨田区側)で乗合船を待つ間に待ち合わせた人々がそれぞれ踊りを披露するという趣向だ。白酒売から始まり三河万歳の太夫と才造の万歳から最後は総踊りになってお開きとなった。最初に乗合船にいた女船頭、田舎侍、若旦那、子守、鳥追いに花道から三河万歳の太夫と才造を入れて七福神の趣向だと思っていたら、白酒売、大工、芸者、通人を入れて11人いる!だった。
さて、来週の8月22日(木)23日(金)の「縁糸乃会」も楽しみだ。
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