2021年09月購入図書

Goinkyodo通信 書籍目録

秋が早い。秋口は夏の疲れが出るので読書は捗らない。10分も読むと電池が切れるような頭を使ってだましだまし読むのは悲しくなる。同じところを何度も読むのは頭が働かないためである。そんな長月の読書だった。

(購入後記)
現代アートに対する偏見の依ってきたるところを探ってみたい。そう思って手にしたが、自分の偏見を見つめるのは難しい。

平安時代のある意味で事件を読む。元寇は読んだが、刀伊の入寇は何も知らないので、ちょうどよかった。

日蓮の『立正安国論』読んでそのままにしていたが、手紙を読むなら解説が欲しいと思った。573頁と分厚い文庫であるが、植木雅俊氏の解説があるので心強い。

一向一揆側はよく分からない。どうしても戦国大名側から見てしまっていた。一般読者向けの本といえども容易くはない。

たまには辞典も読む。「忖度」に何か配慮する意味がないなど、最近の話題もあり飽きさせない。

100分de名著に登場した。『群衆心理』は言葉が独り歩きをしていると思う。

モハメド・アリは懐かしい。北村氏はアリの現役を知らない世代だと思うけど。批評の仕組みを勉強する。

知らないってことは楽しい。インド洋は全然知らん。テーマはダイポールモード現象なのだ。

ハイデガーが面白そうであるのは木田元の『ハイデガー拾い読み』(新書館、2004年)でわかったが、『存在と時間』で懲りているので、概説書から入ろうと思った。

その『存在と時間』の概説書を読む。

本よりも対談集の方がくだけているので、木田元を知るには役立つのかもしれない。

偶然性と運命は哲学のテーマであり、長い伝統がある。

世紀転換期のヨーロッパ思想から、現代思想にアプローチする本を買って来た。といっても木田元の本のことである。

3.11以降に有効である技術論の英訳と対比しながら、木田元の思想を確認したい。

辞典の編集者が辞典の編集の過程で調べた内容で辞典に載せられない話を書いている。辞典は結果であるので、言葉の変遷を書いた本が面白くないわけがない。

先史時代はやっぱりわからない。頭がついていかない。読むとすぐに眠くなる。もっと基本的な本を読むべきなのか。

山本五十六は凡将でよいかもしれない。ただ、山本が凡将なら、他は愚将となるので、公平を期すならば、戦略、作戦、戦術のレベルで山本五十六を評価する著者の姿勢はよい。人間性を入れるのは評価を歪める恐れがある。

田中健一氏が英語の新書を推薦していたので購入した。田中健一氏は『伝わる英語表現法』を復刊させた予備校講師である。主語、動詞に説明という簡単な構造が頭に入りやすい。難しくて使いこなせない英語ばかりやらされてきた。英文解釈はそれで良い。発進型の英語、非ネイティブの英語のイメージがこの本にはある。

平山優氏の新書は分厚くなる傾向がある。武田三代ならもう読んだではないかと心の声が聞こえるが、20年の研究は更新を要求するのであって、買うことになる。

日本の中世を理解するためには政治史だけ見ていてはいけない。荘園はやはり押さえたい。著者の伊藤俊一氏が荘園の専門家であることはTwitter の投稿でわかる。参考文献は大学の講義を意識してか詳細で、荘園索引を付けている。

書名に歴史と謳っているが、こういうのは分類が難しい。引用・参考文献は思想・文芸が中心で、歴史書は一般書である。ブラックボックスという観点から書物と貨幣とコンピューターを扱った本である。【知】にカテゴライズした。

「知的」と「技術」のキーワードに弱い。この手の本は読んでも若い人と異なり今の私には無駄だと知りつつ買ってしまうのは、意志が弱く、物事を続けることが苦手だからだろう。解決方法を求めてしまうのだ。

【歴史】
関幸彦『刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機』中公新書、2021年

日本史史料研究会監修、竹間芳明『戦国時代と一向一揆』文学通信、2021年

藤尾慎一郎『日本の先史時代 旧石器・縄文・弥生・古墳時代を読みなおす』中公新書、2021年

大木毅『「太平洋の巨鷲」山本五十六 用兵思想からみた真価』角川新書、2021年

平山優『武田三代 信虎・信玄・勝頼の史実に迫る』PHP新書、2021年

伊藤俊一『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで』中公新書、2021年

【思想】
植木雅俊薬・解説『日蓮の手紙』角川ソフィア文庫、2021年

木田元『ハイデガーの思想』岩波新書、1993年、2020年第30刷

木田元編著『ハイデガー『存在と時間』の構築』岩波現代文庫、2000年、2017年第13刷

木田元『哲学を話そう 木田元対談集』新書館、2000年

木田元『偶然性と運命』岩波新書、2001年、2018年第6刷

木田元『マッハとニーチェ 世紀転換期思想史』新書大賞、2002年、2012年第3刷

木田元、マイケル・エメリック訳『対訳 技術の正体』デコ、2013年

永田希『書物と貨幣の五千年史』集英社新書、2021年

【知】
神永曉『悩ましい国語辞典』角川ソフィア文庫、2019年、2020年第5版

神永曉『さらに悩ましい国語辞典』角川ソフィア文庫、2020年

ギュスターヴ・ル・ボン、櫻井成夫訳『群衆心理』講談社学術文庫、1993年、2021年第36刷

北村紗衣『批評の教室ーーチョウのように読み、ハチのように書く』ちくま新書、2021年

蒲生俊敬『インド洋 日本の気候を支配する謎の大海』BLUE BACKS、2021年

永田希『書物と貨幣の五千年史』集英社新書、2021年

花村太郎『知的トレーニングの技術』ちくま学芸文庫、2015年第5刷

【アート】
デイヴィッド・コッティントン著/松井裕美訳『現代アート入門』 名古屋大学出版会、2020年

【語学】
中山裕木子『シンプルな英語』講談社現代新書、2021年

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