2019年2月書籍往来
漆がjapanだということは知っていたが、コラムを読んで愕然とした。
「ヨーロッパでは高価な日本の漆器はなかなか購入できず、ラックカイガラムシの分泌物やサンダラック(ヒノキ科の針葉樹)の樹液を用いた模造品が早い段階から製作された。模造がもっとも盛んとなった17世紀のイギリスでは、その製作技法はジャパニング(japanning)、作品はジャパン(japan)とよばれた。つまりジャパンの語は主に紛い物の意味で使用されていたことには留意しなければならない」(P3)。Japanese lacquerで覚えておく。
四柳嘉章(よつやなぎかしゃう)氏は正倉院に収められた美術品ではなく、土に埋もれていた漆器を科学分析した。そうすることで何が見えてくるのだろうか。
【歴史】
四柳嘉章『漆の文化史』岩波新書、2009年
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