『芝祐靖の音楽 復元正倉院楽器のための敦煌琵琶譜による音楽』(2011)

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伶楽舎『芝祐靖の音楽 復元正倉院楽器のための敦煌琵琶譜による音楽』日本伝統文化振興財団、2011年、CD65分49秒

取り敢えず封を切って聴いてみるしかない。解説を漫画家の岡野玲子氏が書いていた。20世紀の初頭に敦煌莫高窟から発見された唐時代の琵琶の譜面を芝祐靖氏が解読して復曲し、正倉院の復元楽器を使って伶楽舎が演奏したという。何とも素晴らしいことだ。

復元された楽器の合奏がひどく明るく聴こえるのは、敦煌という大陸世界の曲だからであろうか? 雅楽の演奏を聴き慣れた耳には失われた古代シルクロードの音楽が新鮮に感じられた。

芝祐靖氏の解説によると、「この古譜解読の作業は、国立劇場が十数年を費やして復元した正倉院楽器を合奏させるには、どのような楽曲がふさわしいかをさまざま討論した結果、発見以来、全く「音」にされていない「敦煌琵琶譜」を取り上げることに決まり、その作業を任された」という。拍節(リズム)については根本的な解明には至らなかったというが、そもそも旋律すら復元することは困難であって、完全な復元は望みようがない。

さて、いつの間にか雅楽になっている。声明はどうしたと言われそうである。他意はない。探すのが面倒なのである。それよりも未開封のCDをたくさん箱の中に発見したので、こちらを優先することにしたのである。このCDを買うような展示会があったのだろうが、すでに記憶は失われていて、ただ数枚の伶楽舎のCDがあるだけである。BGMシリーズは失われた過去と向き合う企画でもある。

#雅楽

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