中村明一『虚無僧尺八の世界 京都の尺八Ⅰ 虚空』日本伝統文化振興財団、2008年
監修の小島美子氏(国立歴史民俗博物館名誉教授)によると、明暗寺(みょうあんじ)に伝承される尺八曲を中心に収録されたという。
明暗寺は東福寺内にあるので、東福寺の塔頭だと思っていたが、普化宗総本山の寺院でもある。臨済宗の僧・覚心(かくしん)の弟子の寄竹(きちく)の没後、寄竹を開祖として鎌倉時代末に開山されたが、明治に、廃仏棄釈された。1890年(明治23年)に東福寺塔頭の善慧院(ぜんねいん)に明暗協会として復興され、1950年(昭和25年)に宗教法人普化正宗明暗寺として再興されたとある(wiki)。廃仏棄釈で廃寺となった1871年(明治5年)には善慧院が明暗寺の寺宝を託されていた。
建仁寺の法堂でいきなり虚無僧の尺八の奉納が始まったことがある。普化宗が虚無僧の属する禅の宗派であれば不思議ではなかった。
このCDの出所は、李青だった。韓国の古楽器だけのCDを置いているわけではなかった。冬に向かってトックなど食べに行きたくなる。
注)寄竹は虚竹禅師ともいう。
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