『〜能と花の二夜〜能『道成寺〜赤頭』』(2008)

視聴時間

〜能と花の二夜〜能『道成寺〜赤頭』日本伝統文化振興財団、2008年

2007年9月28日・29日 札幌メディアパーク・スピカでの公演である。これは第二夜である。184分。

道成寺は有名なので解説は要しないと思うが、念のため状況を書いておく。安珍・清姫伝説がもとにある。想いを寄せた僧侶の安珍に裏切られた清姫が蛇となって鐘に隠れた安珍を鐘ごと焼き殺すという事件があった。その結果、道成寺にはしばらく鐘がなかった。この度、数百年振りに、鐘を新調し、女人禁制で鐘供養するという後日談を扱った能である。歌舞伎は安珍・清姫伝説を扱う。

今回のシリーズは蝋燭能ではない。シテの白拍子と蛇体は観世喜正師が演じる。ワキの道成寺住職は森常好師、そしてアイの能力は野村萬斎師である。

鐘供養に現れた白拍子(実は蛇体)が舞を舞う。この舞が息詰まる。白拍子が隙をみて鐘の中に飛び込む。と同時に鐘が落ちる。ここが見せ場である。鐘を引き揚げると、蛇体が飛び出て暴れる。僧侶が祈祷し、蛇体を鎮めるというストーリーである。

観世喜正師の声が何とも好きだ。耳が聴き分ける。

それにしても道成寺は緊張感がある。重い曲だ。

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