新春浅草歌舞伎2024を観る

散歩時間

浅草公会堂で新春浅草歌舞伎を観に行った。押上文庫さんの企画で第2部を観てから、押上文庫で懇親会をするというのである。

構成

お年玉(年始の挨拶) 10分

1.一谷嫩軍記~熊谷陣屋 90分

2.流星 21分

3.新皿屋舗月雨暈〜魚屋宗五郎 88分

15時スタートで途中休憩が15分、25分と2回あるが、19時9分(予定)までの長丁場である(実際は延びて19時14分終了)。

浅草公会堂は1,070席のホールであるが、販売座席表で数えると異なっている。数え方にもよるのであろうが、kabukibitoの座席では1等739、2等60、3等179の978席である。この企画はそのうち4.9%を占める。しかし、1階469席に対して48席は10%で結構な勢力となる。すみだ文化芸能倶楽部始まって以来の動員となった。

お年玉は尾上松也さんの挨拶であった。10年間のリーダーのプレッシャーが回想された。

熊谷陣屋は熊谷直実(中村歌昇)、相模(坂東新悟)、藤の方(中村莟玉)が演じ比べである。四代目中村歌昇さんは三代目中村又五郎さんの長男である。播磨屋。女方の坂東新悟さんは坂東彌十郎さんの長男である。大和屋。中村莟玉(かんぎょく)さんは、四代目中村梅玉さんの養子となった。去年の高砂会では後見を務めていたので、演技を観るのは初めてである。高砂家。演出や効果も素晴らしい。竹本(義太夫節)の熱演も視線を奪っていた。幕が閉じられ、花道に独り残る熊谷直実(歌昇)、いや既に出家して蓮生を名乗る男。三味線の立ち弾きで送られるその足取りは乱れ、遠く近く合戦の音がする中、笠を潰して身悶えするのであった。この複雑な劇を初めて観る人達が多かったのは、さすがすみだ文化芸能倶楽部である。

清元 流星は中村種之助(たねのすけ)さんの独り4人役の踊り。中村種之助さんは三代目中村又五郎さんの次男である。播磨屋。婆雷のユーモラスな姿がよかった。

魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)は魚屋宗五郎(尾上松也)が金毘羅様に禁酒を誓っていたが、不義密通の罪で妹を手打ちにされても堪えていたが、ついに酒を呑んで暴れまわる話である。最後に殿様に詫びを入れられて納まるあまり納得のいかない勧善懲悪物である。

二代目尾上松也さんは六代目尾上松助さん(故人)の長男である。音羽屋。座頭が今回で引退である。酒桶で暴れるのにスピードがあってヒヤヒヤした。3幕なので集中力が切れる。

新春浅草歌舞伎は楽しかったが、私にはやはり長いのであった。

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